「資本論を読む」第1章第3節の3、135-139
[五] 「一見して分かることだが、単純な価値形態、この萌芽形態は、不十分なものである。この萌芽状態は、一連の形態変化を経て、はじめて貨幣形態に成熟する」。
ある一つの商品の価値を、ただ一つの他の商品の使用価値によって表現する「単純な価値形態」は、一見して分かるように、二つだけの商品の交換関係において現われる最初の価値形態であり、価値というものが初めて生れたその形態であり、いわば芽生えたばかりの価値の「萌芽形態」である。これは、歴史的には物々交換barterにおいて現われる価値形態である。だから商品生産が発展して無数の諸商品が交換される諸関係の中では、それら諸商品の諸価値を表現する価値形態としては、まったく「不十分」なものである。
それゆえにこの「萌芽状態」は、これから先きに見るように、商品生産の発展と共に「一連の形態変化」を経過して、「貨幣形態」に成熟する。この貨幣形態は、あらゆる商品の諸価値を、「貨幣」という一つの商品によって相対的に表現する形態である。
[六] 「商品Aの価値を、なんらかの商品Bで表現しても、その表現は、商品Aの価値をただその商品自体の使用価値からだけ区別するのであり、それゆえにまた商品Aを、その商品自体とは異なったなんらかの単独の商品種類との交換関係にのみおくだけである。その表現は、商品Aと他のすべての諸商品との質的な同等性と量的な比率関係を表わすものではない。ある一つの商品の単純な相対的価値形態には、ある他の商品の単独の等価形態が対応する。こうして上着は、リンネルの相対的価値表現では、リンネルというこの単独の商品種類との関連でのみ等価形態を、あるいは直接に交換可能であるという形態を、もつのである」。
「商品Aの価値を、なんらかの商品Bで表現」する「単純な価値形態」では、「商品Aの価値」を、それの等価物として商品Bの使用価値で表現して、その価値を「ただその商品自体の使用価値からだけ区別」する。だからこの表現は、「商品A」とそれとは異なった「なんらかの単独の商品種類」たとえば商品Bだけの、ただ二つの商品のみの交換関係を表わすにすぎない。この表現では、「商品Aと他のすべての諸商品との質的な同等性」すなわち諸商品の諸価値も、それらの「量的な比率関係」すなわち諸価値の大きさも、表わされない。ここに、前分節で指摘した、単純な価値形態の不十分さがあるのである。
商品Bたとえばう上着はリンネルという「単独の商品種類」<>とだけ「関連」して、そのリンネルの等価となるのであって、「単純な相対的価値形態」<>には、「単独の等価形態」<>が「対応する」。この対応関係は、商品Aが、商品B以外の他の諸商品とも、価値として質的に同等であること、したがって一定の量的比率で交換可能であることは、表現しない。上着だけが、リンネルと「直接に交換可能という形態」をもつにすぎない。
ある一つの商品の価値を、ただ一つの他の商品の使用価値によって表現する「単純な価値形態」は、一見して分かるように、二つだけの商品の交換関係において現われる最初の価値形態であり、価値というものが初めて生れたその形態であり、いわば芽生えたばかりの価値の「萌芽形態」である。これは、歴史的には物々交換barterにおいて現われる価値形態である。だから商品生産が発展して無数の諸商品が交換される諸関係の中では、それら諸商品の諸価値を表現する価値形態としては、まったく「不十分」なものである。
それゆえにこの「萌芽状態」は、これから先きに見るように、商品生産の発展と共に「一連の形態変化」を経過して、「貨幣形態」に成熟する。この貨幣形態は、あらゆる商品の諸価値を、「貨幣」という一つの商品によって相対的に表現する形態である。
[六] 「商品Aの価値を、なんらかの商品Bで表現しても、その表現は、商品Aの価値をただその商品自体の使用価値からだけ区別するのであり、それゆえにまた商品Aを、その商品自体とは異なったなんらかの単独の商品種類との交換関係にのみおくだけである。その表現は、商品Aと他のすべての諸商品との質的な同等性と量的な比率関係を表わすものではない。ある一つの商品の単純な相対的価値形態には、ある他の商品の単独の等価形態が対応する。こうして上着は、リンネルの相対的価値表現では、リンネルというこの単独の商品種類との関連でのみ等価形態を、あるいは直接に交換可能であるという形態を、もつのである」。
「商品Aの価値を、なんらかの商品Bで表現」する「単純な価値形態」では、「商品Aの価値」を、それの等価物として商品Bの使用価値で表現して、その価値を「ただその商品自体の使用価値からだけ区別」する。だからこの表現は、「商品A」とそれとは異なった「なんらかの単独の商品種類」たとえば商品Bだけの、ただ二つの商品のみの交換関係を表わすにすぎない。この表現では、「商品Aと他のすべての諸商品との質的な同等性」すなわち諸商品の諸価値も、それらの「量的な比率関係」すなわち諸価値の大きさも、表わされない。ここに、前分節で指摘した、単純な価値形態の不十分さがあるのである。
商品Bたとえばう上着はリンネルという「単独の商品種類」<
